街なかで見かける建築中の建物には、外側にネットがかけられていることって多いですよね。
今回は、その「安全ネット」についてお話しましょう。
作業足場の周辺に張る安全ネットは、大きく次の2つに分かれます。
・主に作業場所の物を外に飛散させないための「垂直ネット」
・作業員の墜落や物の落下を防ぐためなどの「水平ネット」
用途に応じて最適な強度や難燃性のネットを選んで使用しますが、水平ネットは、垂直ネットよりも強度が高いことが一般的です。用途を考えたら、そうなりますよね。
さて、東京スカイツリーの工事でも、この2種類のネットを使って安全に作業を進めているわけですが、同じ「垂直ネット」でも、高層部と低層部で色が違っていることにお気付きでしょうか?
高層部で進む工事の最前線では、ブルーのネットで養生しています。
ちなみに、すでに足場を外した場所では、外塔鉄骨の内側にネットを張り替えて作業中です。
一方、低層部はシルバーのネットとなっています。
メーカーにもよりますが、強度や難燃性などの性能によってネットを色分けすることが多く、東京スカイツリーの建設では、水平ネット=ブルー、垂直ネット=シルバーの製品を採用しています。
…ということは、東京スカイツリーの高層部では、垂直ネットなのにブルー、つまり本来なら水平用の青いネットを使っていることになります。
これは、高所での強風による風荷重が大きく、強度の低い垂直ネットでは耐えられないからなんですね。安全面を重視して、強度が最大の水平ネットを、垂直ネットとして使っているというわけです。
東京スカイツリーの「スカイ」のイメージで青色にしているのではなかったのです
こんなところにも、未知の高さに挑む工事ならではの安全対策が隠されていました。
皆さんも、ぜひ東京スカイツリーならではの特徴を探してみてくださいね。
それでは、今日もご安全に!