12月24日と25日の2日間、工事用照明で東京スカイツリーをライトアップし、クリスマスの夜を盛り上げました。空に一番近い場所からの輝きは、聖夜を迎える家々に届けられたでしょうか。
東京スカイツリーの建設技術を紹介する「つくり方大公開!上級編」を更新しました。
今回は、工事期間中のタワークレーンを揺れから守る「制振ダンパー」について紹介しています。
つくり方大公開!上級編 「最上部ではタワークレーンにも制振装置」
タワークレーンに制振装置を取り付けるのはとても珍しいこと。高さ世界一のタワーを安全に造るため、このようなところも特別仕様となっています。
東京スカイツリーのすぐ近くにある墨田区立業平小学校で、3、4年生約120人を対象に大林組の社員が出前授業を行いました。
業平小では、街への愛着を育むため東京スカイツリーをテーマに新聞を作成しており、今回は墨田区教育委員会の紹介で、ちびっこ記者たちによる「取材」が実現しました。
さすがは地元の子どもたち、事前に寄せられた質問は30個以上。タワーの形状や造り方から、「展望台のガラスはどのようにはめたのですか?」「クレーンの中はどのようになっているのですか?」といった質問まで、説明した大林組技術本部の社員も驚くほどのハイレベルな内容でした。
本物の取材さながらの質問攻めにあった担当者は、「東京スカイツリーの重さは?」と聞かれて「体重計がないので計るのは難しいですね〜」と冗談で返し、会場の笑いを誘う一幕も。子どもたちは工事中の貴重な写真紹介に歓声を上げるなど、和やかな雰囲気のなか行われました。
授業の最後には、子どもたちから、イラストや応援メッセージを書いた葉書をいただきました。
心のこもったプレゼントに担当者も感無量でした。
業平小の皆さん、新聞作り頑張ってくださいね。完成を楽しみにしています。
12月1日に「ドッキング完了で500メートルを突破」でお知らせしたとおり、東京スカイツリーは高さが511メートルとなりました。これは、塔体内部の空洞を上昇してきたゲイン塔と、塔体頂部(497m)に仮置きしていた制振機械室のドッキングによるものでした。
ドッキング部分のうち、ゲイン塔の最上部は、今年6月に塔体の空洞内で最初にワイヤーで吊るされた部分。なんと、地上から497メートルを昇ってきたことになります。
一方、上で待ち受ける制振機械室を支える柱は、つい最近、塔体頂部で組み立てられたもの。この2つを寸分の狂いなくドッキングさせるには、緻密な精度管理が必要です。
ドッキングさせる柱は全部で6本。上下の柱がピタリと合っているかを計測した結果、下側のゲイン塔全体を1方向に3ミリ動かすと、すべての柱が合うことが判明。
ゲイン塔を横方向に動かす微調整用のジャッキで「少し押しては計測」を3回ほど繰り返しました。
最後の1回は0.9ミリ動かして合わせるという作業でした。巨大なゲイン塔を、髪の毛1本ほどの微調整でドッキングさせていたんですね。こうして、上下の柱がピタリと合いました。
作業員さんが手にしているC字型の道具は、上下の柱の肌合わせを計測するために作った定規。下の柱に定規を合わせ、上の柱にできた隙間をゲージ(測定器)で確認しました。
未知なる高さへの挑戦は、ミリ単位の緻密な精度管理に支えられています。高さが500メートルを超えて成長する壮大な姿もさることながら、大林組の腕の見せどころともいえる施工技術にも、ぜひ注目していただければと思います。
12月1日、塔体頂部(497m)に仮置きしていた制振機械室と、塔体内部の空洞を上昇してきたゲイン塔がドッキングし、タワーの高さが511mとなりました。ついに500m突破です。
塔体最頂部に見える一回り小さな部分が制振機械室です。
ゲイン塔頂部のつくり方は「制振装置のあるゲイン塔頂部をつくる」で解説していますので、ぜひご覧になってください。
今後は、ドッキング部分の溶接や塗装などの仕上げが終わったら、塔体内部をリフトアップ工法でグイグイと上昇してきたゲイン塔が、ついに姿を見せます。