基礎工事を担当したKです。
着々と鉄骨工事を進める鼎(かなえ)を掘削した部分ですが、鉄骨工事開始前には
泥臭い「人海戦術」もやっておりました。
それは杭頭処理(くいとうしょり)です。
ツリーの塔体を載せるナックル・ウォールは、地中に杭穴を掘ったところにコンクリートを
打設してつくる場所打ち杭です。場所打ち杭は杭穴が崩れてこないように、杭穴に溜め
た安定液の中にコンクリートを打ち込むので、上の方のコンクリートと安定液が
混ざってしまいます。
この分所定の高さよりも高くコンクリートを打設して、掘り出してから不純物の混ざって
いる部分を斫り(はつり)とって捨てます。所定の高さの健全な杭頭部分まで処理をすると
鉄筋が姿を現します。これが杭頭処理です。
写真はナックル・ウォールの杭頭を掘り出しているところです。
まさに遺跡の「発掘現場」のようですね。この写真に見えている杭頭コンクリートの中に、
塔体鉄骨とつなぐ、鉄骨が埋込まれています。そのため機械や破砕剤などでの解体が
難しく、斫り工(はつりこう)という職人がブレーカー(削岩機)をもって手仕事で丁寧に
斫り取らなければなりません。
ただし、この作業は斫りノミを圧搾空気でコンクリートに打ち込むブレーカーの斫り音が
出るため、近隣の方々にご迷惑がかかります。
そこで、下の写真のように杭頭処理を行う鼎の掘削部上部に防音シートを設置し、
発生音を封じ込め、騒音の低減を図ることとしました。
また、音の出る期間を最小限にして、ご迷惑がかかる期間を減らせるよう、
人海戦術で最大60人以上の斫り工を一つの鼎に投入し4〜5日で終わらせました。
下の写真をご覧ください。
作業が終わり、掃除をする為に防音シートを外したところです。
青いコンテナに斫り工が、斫りとったガラを集めています。
まさに、人海戦術・・・こんなに多くの斫り工を投入した現場は、見たことがありません。
難航すると思っていた仕事が見る見るはけました。
人の力はやはりすごい。