今日は、東京スカイツリーの「コンクリート打設」についてご紹介しましょう。
鉄骨を積み上げて造る東京スカイツリーに「コンクリート」のイメージはないかもしれませんが、展望台や機械室などのフロアでは、現場でコンクリートを打設して床を造っています。
ビルの建築でコンクリートを打設する場合、打設するフロアまで地上から生コンを圧送する方法がありますが、東京スカイツリーのような高さでは通常の設備で圧送することができません。
そこで採用しているのが、「ホッパー」と呼ばれる輸送用の設備です。
まず、生コン車から、この巨大なホッパーに5㎥の生コンを積み込みます。
次に、タワークレーンで第一展望台の屋上まで吊り上げます。
第一展望台の屋上は高さ375m。タワークレーンでホッパーを揚重すると一回につき20〜30分はかかるので、2台のクレーンを使って効率良く作業しています。
そして、コンクリートを混ぜながら運搬する「アジテーター」といわれる機械で受けます。
あとは、左隣に見える「圧送機」でコンクリートを打設エリアへ送ります。
第一展望台は青いネットで覆われて中が見えませんが、こうして着々と工事が進められています。
コンクリート工事は、生コンの仕様確認をはじめ、工場への数量手配、生コン車の搬入動線の計画、タワークレーンの手配、打設順序の検討、そして各作業に関わる職人さんの手配など、さまざまなプロセスを事前に調整しておく必要があります。「段取り」がとても重要なんですね。
また、打設した後も締め固めや養生などをしっかりと管理することが、東京スカイツリーの高い品質につながっていくので、工事担当者は一つひとつのプロセスを大切にしながら作業にあたっています。
いつか展望台に登る機会があったら、ぜひ足元の床をご覧になって、そんなことを思い出してもらえればと思います。